土壌汚染に関する判決
土壌汚染対策法は、平成14年5月に国会で可決・成立していますが、それ以前に売買契約が締結され、その後、同法によって規制された有害物質が土中から発見された場合、こうした有害物質の存在が隠れたる「瑕疵」(民法570条)に該当するかが争いになることがありました。
一般に「瑕疵」というのは客観的なものをいいますから、法による規制を受けていようとなかろうと、客観的に人体に有害であれば、「瑕疵」に該当するという理屈は十分に成り立つと思われます。たとえば、土壌汚染対策法によって規制されていなかった時代に、フッ素が人体に有害ではなかったということにはなりません。
従いまして、判例が、土壌汚染対策法による規制前の売買契約においても、フッ素の存在を「瑕疵」と認めたことは、評価できます。
一方、売主及び仲介業者からすれば、事前に予測可能性がないところで、事後的に損害賠償責任を負わされることになり、リスク管理が非常に難しい面もあると思われます。
もっとも、瑕疵担保責任による損害賠償の考え方は、売買契約における有償性、つまり、売買の対価の均衡にあります。従いまして、瑕疵担保責任の考え方からすれば、フッ素が存在し、客観的に価値のない土地を価値のある土地として売却し対価を得ることは許されないということになります。しかも、瑕疵担保責任は無過失責任ですから、フッ素が有害物質であることについての認識可能性は、売主の責任を判定するにおいて問題にならないという厳しさもあります。
今後、売却の際のリスク管理は大変厳しくなることが予想され、今後、同判決の影響及び評価を見定めていく必要があります。
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