弁護士 町田裕紀(まちだ ひろのり)

遺言執行者

本日は、遺言の執行に関する話題です。

 遺言の方式としては、自筆証書遺言、公正証書遺言その他があるということは、既に当ブログでもご紹介したところですが、せっかく遺言を作成したとしても、自らの死後、その遺言の通りに実行されなければ意味がありません。
 そこで、民法1006条1項は、遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができると規定しています。

 例えば、相続人の一人が不動産を公正証書遺言により取得した場合、当該相続人は、公正証書遺言に基づき単独で相続登記をすることができますので、遺言執行者の必要性は少ないのですが、公正証書遺言のなかに、第三者に対する遺贈を含んでいる場合等には、その執行のために遺言執行者を選任しておくことが望ましいといえます。
 また、遺留分は侵害しないとしても、特定の相続人に対し相続財産の大半を取得させる場合等にも、遺言執行者を選任しておき、遺言執行者がその職務として相続手続を完了させれば、当該公正証書遺言に基づく相続に不満を持つ他の相続人と、当該相続人との間の直接衝突をある程度回避できることもあります。
 このように、遺言内容の円滑な実現のために、遺言執行者を予め指定しておくことは重要なことといえます。

 弁護士が遺言執行者になる場合には、通常、遺言者から、公正証書遺言作成についての依頼を受け、同弁護士がそのまま遺言執行者になることが多いと思われます。当該弁護士は、遺言の作成の当初から関与していますので、遺言者の意思をもっともよく知る人物であり、遺言執行を依頼するにはもっとも最適であると思われます。

 遺言者の死後に相続人間の紛争が予想される場合に限らず、遺言者の意思を確実に執行してくれる者として遺言執行者を予め指定しておくことは、大変重要なことと思われます。

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